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真実の宝 分かち合いたい六甲の高台にある大学から、冬場遅く帰宅する時、眼下には赤や青や黄色のイルミネーション、美しい夜景が見える。 「10年前に震災があったとは思えないくらいです。1軒1軒、明かりがともされているのを見ると幸せそうですが、火宅無常の世界と知らない人ばかり。そう思うと、じっとしておれません」 工学部に在籍する森田卓郎さん(仮名)が震災に遭ったのは、小学3年生の時だった。自宅はあまり被害がなかったため、他人事のようにも感じていたが、その後、学校で毎年1月17日に黙祷するたび、悩むようになる。 「人は必ず死なねばならぬ。死ねばどうなるのか。幸せはすべて崩れてしまうのか」。だが答えは出なかった。 「周囲の人は全く気にしていないようで、『考えても仕方ない。死は、忘れるしかないんだ』と思うようになったのです」 仏縁を結んだのは平成16年3月。大学の先輩から「親鸞聖人の教えを聞いてみないか」と誘われた。「人生の目的は、死してなお崩れない、本当の幸せになることと聞き、驚かずにおれませんでした。そんな世界があるのか、と思いました」 しかし、親鸞聖人が、「無碍の一道」と教えられていると知り、いちばん知りたかった答えを得た喜びであふれた。 「火にも焼けず、水にも流されない真実の宝、1人でも多くの人と分かち合いたいと思います」
「鉄槌」の言葉震災の時、私は大学1年。下宿のアパートは全壊しました。避難所での3日間は、夜はロウソク1本、食事も2日めまで取れない中、すべてを失い、一晩じゅう泣きじゃくるおばあさんや、自殺した人を目の当たりにしました。「何と悲惨な人生の末路だろう」と、眠れぬ闇の中で感じました。 寸断された交通網を乗り継いで、どうにか駆けつけたご法話で、「後生の一大事は、大震災どころの問題ではない」と厳かに言われたことを、今も忘れることができません。 死と背中合わせの「生涯で最も大変な体験」への慰めや励ましを、ひそかに期待していた心に、鉄槌を下された思いがしました。 しかし同時に、何と大変なことを、今まで教えていただいていたのかと、目からうろこが落ちる思いでした。震災の中、突破してこそ、聞きえたことと感謝しています。 火宅無常の仏説を教えてくれた神戸は第2の故郷です。(会員の体験手記)
大事なもの 見えた食事をしていたら突然ドーンと突き上げられ、次の瞬間激しい横揺れに襲われた。思わず机の下に隠れた。 大学1年だった私は、いつもより早く起きていた。寝ていた所には本棚が倒れていたので、早起きしなかったら今ごろどうなっていたか。足にけがをしたが、病院に行く余裕などなく、1週間そのままの状態だった。 長田区は木造の家が多いので、周りじゅうが火事だった。消防車も水もない。家が燃える前に、家財道具を運び出すことしかできない。でも、「要らない物ばかりだな」と思った。人生において、本当に大事な物は何か。物の見方が変わった。 「火宅無常の世界」と聞かせていただくが、本当だと実感した。死からの逃げ道はない、その厳粛な事実から目をそらしてはいけない。崩れない幸せを獲るのは今しかない、と知らされた。あの時から、本当の聞法が始まったと、10年たった今、改めて思う。(会員の体験手記)
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浄土真宗親鸞会 兵庫県 |
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